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sathoshikawa

乾直

前回の投稿で名称だけ出ました乾田直播(かんでんちょくは)。


長いので、『乾直(かんちょく)』と呼んでますが、今回はこの乾直についてのお話です。


乾直は水を張ってない、乾いた圃場に種籾を撒きます。その後発芽し、少し成長してから田んぼに水を入れる水稲手法です。


メリットとして、ビニールハウスで育苗する手間が省けます。

ということは、体力を使う苗箱への播種や、ビニールハウスでの苗箱並べがありません。ハウスの育苗スペースもカット。

さらには代かきや田植えも不要ですから、作業時間は色々と短縮できるし、楽になると思います。


そのため、柏染谷農場では毎年ある程度、乾直で稲を栽培しています。

今年は12町歩ほど乾直の予定でした。



3月には『キヒゲン』という消毒や雑菌感染予防、鳥に食べられないための効果が期待できる、赤い薬剤を種子にコーティング。

写真のように種は乾燥させ、その後は運び易いよう、袋に入れておきました。

後は圃場の耕耘とレベル作業を行い、播種に繋げるはずだったのです。


ところが今年の3月は雨が多く、田んぼに入れない日々が続きます。


乾直種蒔きのタイミングがずれることで、種蒔き後にブームスプレーヤーで行う防除が、小麦の防除と重なる心配が出てきました。


他にも、乾直播種後の『溝掘り』で使うトラクターが、代かきやロータリー等とスケジュール上被る懸念もあり、結果として、乾直面積を削減することになります。


楽な乾直が減るのは残念な一方で、田植えに切り替わるメリットもあります。

水管理をする私としては、代かきによる圃場の水保ち向上がとても嬉しい。乾直の圃場はとにかく水が抜けやすく、維持が大変なのです。

水の維持がし易い圃場は収穫量も増えるし、この点も嬉しいポイントです。


しかし少しでも乾直で種を蒔かないと、水稲作業全体の負担は増えてしまうので、出来る限りの乾直準備は進められました。

結果、昨年は3月9日に最初の乾直種蒔きをしたのですが、今年は4月20日にその日を迎えます。



トラクターに作業機『ドリルシーダー(Drill Seeder)』を装着。

実は昨年小麦の種蒔きにも使った同型が壊れたため、新品を導入です。


ドリルシーダーとは何だろう。いつもの通り気になって調べました。

『シーダー』は播種機、種蒔きの機械と分かりますが、ドリル?穴を掘る訳でもないですよね。


説明書を見ても分からずでしたが、Drillには『筋撒き機』や『(うね間に撒いた)種の列』などの意味がありました。筋撒きタイプの播種機ということで、機能通りの名称です。


このドリルシーダーは設定した量の種と肥料を適切な深さに撒き、覆土することができます。

2町歩の圃場もあっという間に撒き終えるだろうとの予測でした。



私は種や肥料を作業機に入れたり、これらがしっかり圃場に落ちていくかを確認するなどの役割で参加。上の写真は長期間に効果を発揮する、『一発肥料』です。



よーし、播種開始!さあ、どうでしょう。

…と、間も無く両外側の肥料管が2本ずつ詰まりました。


原因は管の長さと角度だろうと目星を付け、薬剤が通るプラ菅をハサミで切り、作業再開。

その後も詰まりが起こる度に管を調節し、何とか初回の播種は完了しました。

昨年より遅い播種ですが、その分暖かいので発芽も早そうです。


さらに乾直の面積を増やせるか?

天気の不安が残る中、大急ぎで1町8反の圃場をロータリー耕やレベル作業で整えて、4月29日に無事、乾直種蒔きが終わりました。

今年の乾直は、合計3町8反です。


天候の影響で当初の計画は変更となりましたが、ひとつの難関をクリアした気分。

残る田植えも無事に完了することを目指して、皆其々の作業を頑張っています。


それでは、今回はこの辺で。また!

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