『産業用無人ヘリコプター』。
そう呼ばれる、特殊用途のラジコンヘリコプター(以下ラジヘリ)があります。
今回は、このラジヘリを使った作業に注目してみました。
ラジヘリは小麦の防除でも出番があるのですが、柏染谷農場では水稲での使用がメイン。防除に追肥にと大活躍しています。
田植えの際は苗を植えながら、肥料、殺虫・殺菌剤、そして『初期剤』と呼ばれる除草剤を撒いています。
初期剤ではなく、一発処理剤という薬剤を使用するケースもあるのですが、初期剤の効果が切れる前に『中期剤』という除草剤を散布します。
初期剤も中期剤も、目的はノビエという雑草対策。
その中期剤の散布に活用するのが、今回の主題、ラジヘリというわけです。
田植えが始まって2週間過ぎた頃からが出番で、天候を見ながら担当者2名で作業に当たります。
写真の様に薬剤と共に車に載せて運びます。重量は約70kg。重いので、載せたり降ろす際も2人で慎重に、慎重に。
役割は送信機でラジヘリを操縦する『オペレーター』と、薬剤散布エリアをオペレーターに伝える『ナビゲーター』に分かれています。ナビゲーターは合図を送るので『合図マン』とも呼ばれます。
ラジヘリの利点はなんと言ってもその作業スピード。
薬剤の積載力が高く、液剤は16リットルのカセットタンクを2つ、合計32リットル分。これを時速16〜20kmで散布します。
粒剤を使う場合は、粒剤用タンクを使用。
燃料はガソリンで、一回のフライトで約4町歩分飛ぶことができます。
背負い動噴(動力噴霧機)で充分に対応できる圃場もありますが、広い圃場を歩いて散布することは時間が掛かるし体力も厳しい。他の作業機同様、ラジヘリは柏染谷農場にとって欠かせないものと言えます。
ただ、ラジヘリのオペレーターは航空法を学び、免許の取得が必要で、その費用が高額なこともあって、対応できるスタッフは簡単には増やせそうにありません。
また、送信機からラジヘリまで電波の届く距離の都合上、以前の投稿『春の小麦防除』で紹介したような広い圃場には向いてないなど、そこは機材も使い分けが必要となっています。
担当者である先輩に、ラジヘリの活用で大変なことはないか、尋ねてみました。
それによると、「安全に気を付けることは第一で、他には肥料や薬剤、それに雨や虫などによる汚れがあり、こまめな掃除が欠かせない」そうです。
言われてみれば、いつもピカピカですよ。
6月はラジヘリでの追肥も始まります。
できればその活躍シーンも紹介できたらな、と思います。
それでは、またの機会に!
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